令和5年1月公開 ぼいす宅配便 「笑顔を作れば」 紀州路発ぼいす宅配便 この番組は、浄土宗和歌山教区がお届けしています。 新年おめでとうございます。新しい年を迎え、いかがお過ごしでしょうか？気持ちを新たにして前向きに暮らしていきたいですね。お正月は笑顔が似合います。家族みんなでおせち料理やお雑煮を食べ、子供達にお年玉を渡す光景は笑顔があふれています。穏やかそのものです。お年玉はもともと年の賜物という意味があり、神様にお供えしたお餅などをお下がりとして分け与えたのが始まりと言われています。ですからお年玉という言葉は「この年に初めて授かった大切な贈り物」と言えるのではないでしょうか？ 和歌山教区の教化ラジオ 紀州路発ぼいす宅配便へ ようこそおいでいただきました。 大切な贈り物とは笑顔で過ごさせて頂けるひと時と受け止めていきたいですね。 「笑う門には福来る」と言いますが、口の中や顎の周辺である口腔顎面領域を専門とする鶴見大学歯学部前教授、斎藤一郎先生は科学的根拠に基づく笑顔の効用を説いておられます。いい笑顔とは筋肉と気持ちで作られるそうです。誰もができる「幸福につながる笑顔」の日ごろの心がけやトレーニングがあります。それは口角を上げ無理やり笑顔を作る練習をするということです。楽しいと感じて笑っている人の記憶・感情をコントロールする脳内の前頭前野という部分は血流が増し、活性化しています。しかし、うれしい、楽しいと特に感じていない人にも、口角を上げて無理にでも笑顔を作ってもらったら、何と前頭前野は同じ反応が見られました。感情が伴わなくっても、笑った表情をするだけで心から笑っている時と同じ反応が脳に起こるのです。顔の筋肉の一つである表情筋と幸福感は密接な関係があります。「普段そんなに楽しいことはないけれど」という人も、日頃から笑顔を作ることが幸福感をもたらすことになるそうです。表情筋のもっとも簡単にできるトレーニングはよく噛むということです。口の周りにはたくさんの表情筋が集中していて、噛む行為によって顔全体の表情筋を鍛えることができます。筋肉は何歳になってもトレーニングで鍛えることができます。噛むと脳の血流が増えることがわかっており老化防止にも繋がります。また人間の顔は口角を上げるクセがついていないと、重力に抗えずどんどん垂れていきます。するとほうれい線がはっきり出るなど老人の顔貌になってしまうようです。ですから笑顔を意識するのは老化の防止としても大事です。 笑顔作りには筋肉の力が必要ですが、さらにもう一つ大事なことは楽しい方向に物事をとらえる気持ちです。笑顔は筋肉と気持ちで作られます。ある女性修道院のことですが、みんな同じものを食べ、同じ環境で過ごしているにもかかわらず、寿命の長い人、短い人がいるのは何故か？そこで彼女達が日々付けてきた日記を分析してみると、「つらい、不安、困難」という言葉が多いグループは80歳になった時に約3割しか生存しておらず、「楽しい、うれしい、感謝」という言葉の多いグループは9割生存していたということです。このことからしても気持ちは大切で、健康・寿命に影響します。笑顔は筋肉を働かせ無理にでも作れば、気持ちがついてきます。 話は変わりますが、例え有難く思わなかっても、ただ口にお念仏を申せば、やがては有難くなってくるということがあります。これは無理にでも笑えば気持ちがついてくるという事に似ています。寝る前にその日のよかったこと、楽しかったこと、仕事などでうまくいったこと、大笑いしたことを思い返し、感謝の気持ちを持って、お念仏申して阿弥陀如来のお力で極楽往生させて頂ける喜びをしっかりと感じてみませんか。そこには和やかな笑顔で溢れた世界が広がっています。皆様本年もお念仏を申し、笑顔を忘れず穏やかな日々を過ごしましょう。 それでは、今月はこのあたりで。また来月おあいしましょう。 紀州路発、ぼいす宅配便でした。 |
