令和２年１０月公開　ぼいす宅配便

「悪縁も良縁も」

　この番組は浄土宗和歌山教区がお届けしています。
　今年の夏は、暑かったですね。例年以上の暑さに加えて、新型コロナウイルス感染予防としての、外出時のマスク着用で、暑さ倍憎だったのではないでしょうか？ 感染予防対策とともに、熱中症対策にも気を使わないといけない夏でした。また、多くの夏の行事が中止となり、秋祭りも中止とする地域も出てきました。来年こそは、花火大会やお祭りを思う存分、楽しむことができればいいのにと願うばかりです。

　和歌山教区の教化ラジオ　紀州路発ぼいす宅配便へようこそおいで下さいました。
　なかなか収束の見えない新型コロナウイルス感染症ではありますが、「新しい生活様式」を模索する中で、色々な発見がありました。仏教界も、お通夜やお葬儀、ご法事やお寺での法要、お参りの仕方や勤め方が変化してきたのを感じています。学校や会社では、リモート授業やZoomを使った会議、テレワークといったインターネットを活用しての生活が注目されました。お寺の世界も同じく、布教や教化、法要など、インターネットを使って公開していくといった方法が、今まで以上に模索され始めました。
　そんな中、私たちが約１５年前に立ち上げた、和歌山教区のホームページ「お寺の空間」って先駆け！と思って、スタッフ一同、先見性に自画自賛しているところです。ネットによる教化には、多くの可能性と限界があります。それらをよく理解して、バランスよく利用することで、皆さまに今後も、仏教の事や浄土宗の教えを分かり易くお伝えしていくことができればと思っています。

　「縁（えん）なき衆生（しゅじょう）は度（ど）し難（がた）し」という言葉があります。
　その意味は「縁」は、仏教徒のつながりを表し「衆生」は、全ての生き物のことを表します。「度す」とは、仏が悟りの境地に導くという意味です。つまり、これを現代語訳すると、「すべての生物に慈悲深い仏であっても、仏の教えを聞く機会がない者、信じようとしない者は救うことができない」となります。これが転じて、「人の忠告を聞かない者は救いようがない」ということのたとえとなりました。
　「仏さまとご縁のない方々は慈悲深い仏さまも救いがたい」しかし裏を返せば、「ご縁のあった方々は救います、救われます。」と言うことです。
　ご縁にも色々とあります。良縁に悪縁、順縁に逆縁。良縁とは良いご縁ですね。その逆が悪縁、悪いご縁です。
　順縁の「順」の字は、訓読みで「したがう」とか「すなお」と読みますので、順縁とは、素直に仏縁、仏様とのご縁を結ぶということです。 　仏様の教えを聞いて素直に信じて、仏道に精進する者を「順縁の衆生」と言います。 　これに対して逆縁とは、仏様の教えを聞いても、素直に信じることなく、教えを破ったり馬鹿にしたり、そんな罪を重ねている方であっても、 　その罪が逆にその方にとっての仏縁となっていくことをいいます。仏様は善き人も悪しき人も救ってくださるのです。すべて仏縁として受け入れ、導いて下さるのです。なんと、有難いことでしょうか。今この番組をお聴きくださっている方々は、私どもを通して仏教、浄土宗の教えとご縁を結ばれたわけです。大変すばらしいご縁です。このご縁を大切にしていただき、お念仏の教えに触れていってください。

　そこで提案です。1遍でもいいので、私と一緒にお念仏をお称えしてみませんか？そうすれば、極楽往生間違いなしです。
　それではいきますよ。
　せーの　「なむあみだぶ」
　ありがとうございました。

　では、今月はこのあたりで。また来月におあいしましょう。
紀州路発ぼいす宅配便でした。