私の名前は善導。中国・隋の時代に山東省で生まれ、青年時代に道綽（どうしゃく）禅師に浄土の教えをお聞きし、お念仏のすばらしさを確信致しました。そして、唐の都長安を中心に、お念仏の教えを人々に説いてまわりました。
阿弥陀様は、四十八願の中の第十八願で、「往生したいと思って十念をした者は、一人残さず極楽へ往生させよう」と誓われておられます。この「十念」とは、『観無量寿経』の中で説かれている「十称」、つまり声を出して「南無阿弥陀仏」とみ仏の名を十回お称えする称名念仏に違いありません。
阿弥陀様の誓われた「十念」は、何を十回念じるのか諸説がありましたが、誰でもが救われるもっとも簡単な称名念仏であると私は確信しております。一部の限られた偉い人だけではなく、多くの人に実践が可能な称名念仏こそ、末法の世にふさわしい教えではないでしょうか。たった一度であっても、本当に心のそこからお念仏が称えられれば、きっと往生できるにちがいありません。
ですから、私は思います。往生のためには、お念仏は最善の行いなのだと。
