私の名前は法然房源空。平安時代の末に、現在の岡山県で武士の子として生まれ、その後、比叡山で修行をし、誰でもが救われる道を探し続けておりました。そして、４３歳の時に、善導大師のお書きになられた『観無量寿経疏』の中の「一心専念弥陀名号・・・」の一文を読み、お念仏さえ称えれば救われることに気付き、浄土宗を開いたのです。
もし往生極楽を願うのであれば、念仏さえすれば往生できるのです。なぜなら、それは阿弥陀仏が、四十八願の中の第十八願で、「往生したいと思って念仏をした者は、一人残さず極楽へ往生させよう」と言っておられるからです。悟りを開かれた仏様が、このようにおしゃっているのですから間違いありません。そして、他の仏様もそのとおりだとおっしゃっているのですから。
阿弥陀様がお念仏さえすれば、往生できると言われているのですから、私たちは素直にただただお念仏をすればよいのです。往生のためには、お念仏しかないのです。
難しいみ仏の教えも、お念仏によって本当に誰でもができる身近なものになりました。この世で仏になれるのなら、お念仏をする必要はありません。しかし、末法の世に生きる私たちは、煩悩の多き身です。命あるものを殺し、人をきずつけ、罪深き愚かなこの身が救われるのは、お念仏によって極楽へいかせて頂くことなのです。
